- 2010-03-30 (火)
- 映画

★★★★★
僕にとって、生涯ベスト10に入る作品でした。
戦争の悲惨さは「際限無く人が死ぬ」ということにあるけど、
さらに本質的には生きているも含めた全ての人の希望を奪うというのが戦争。
多くの童話やおとぎ話の影には深い闇と背景があり、だからこそ魅惑的で禍々しい。

スペイン内線下。夢も希望も奪われた世界で一人の少女は自ら妖精たちが誘う世界へ導かれて行く。

何より素晴らしいのはおぞましくも美しいギレルモ・デルトロ監督のファンタジックな世界と
残酷な戦争の真実という対比を徹底して描いていること。これは「絶望と希望の対比」であり、
「大人と子供の対比」。「(平穏な)現在と当時」、「独裁政権」と「民主政権」の対比も意図しているんだろう。

そして「夢と希望がなければ子供は死ぬ」ということを明確に描いていること。

少女の美しいモノローグであり、想像力に満ちた“極めて高質な※1”ファンタジー。
そして戦争犠牲者達への偉大なるレクイエム。
こんなに美しく切ない映画はそうそう無いと感じた。

※1
世間に氾濫する巨大さとCGと中身のない物真似の寄せ集めで作った“ファンタジーもどき”
などとは一線を画す、真のファンタジー。
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